「ミード(mead)」は蜂蜜を発酵させて作るお酒で、日本語では「蜂蜜酒」と呼ばれます。
名前の響きからしてロマンチックですが、実際に世界最古の酒ともいわれ、古代から「神々の飲み物」として愛されてきました。
今回はその歴史や作り方、飲み方の楽しみ方をユーモアも交えてご紹介します。
ミードの歴史 ― 世界最古のお酒!?

お酒の起源は「人間が狙って作った」のではなく「偶然できちゃった」ことから始まります。
ブドウが自然発酵してワインになったように、蜂蜜を水で薄めたものに酵母が入り込み、発酵してミードが誕生しました。
- 紀元前7000年、中国で蜂蜜を使った発酵酒の痕跡が発見されている
- 古代ギリシャでは「神々の飲み物」と呼ばれた
- 北欧神話では英雄や神がヴァルハラで飲んでいた
つまりミードは「酔えるドリンク」の元祖。古代人にとってはスーパーエナジードリンク的な存在だったわけです。
ミード誕生の経緯と「ハネムーン」の由来

蜂蜜は保存がきき、栄養価も高い万能食品でした。水で溶いて放置しておくと勝手に発酵してお酒になる――その偶然がミードの始まりです。
ちなみに「ハネムーン(honeymoon)」という言葉も蜂蜜酒が由来。
新婚夫婦が結婚後1か月間、蜂蜜酒を飲んで子宝を願ったことから来ていると言われています。
つまり、ハネムーンはもともと「飲んだくれイベント」だったのです。(諸説ありますが)
ミードの作り方 ― シンプルだけど奥深い
ミードの基本材料はとてもシンプル。
- 蜂蜜
- 水
- 酵母
これだけです。あとは時間が発酵を進めてくれます。
ただし蜂蜜の種類や添加する果物・スパイスによって、味は千差万別。
- アカシア蜂蜜 → すっきり爽やか
- そば蜂蜜 → 香ばしく濃厚
- 果物を加えるとフルーティー
- シナモンやクローブを加えるとスパイシー
家庭での自家醸造は日本では酒税法で禁止されていますので、プロが造ったものを購入して楽しむのが安心・安全です。
ミードの飲み方 ― 甘さを楽しむ大人の嗜み

1. 冷やしてそのまま
ワインのようにグラスに注ぎ、蜂蜜由来の香りと甘さをそのまま堪能。
2. ホットミード
冬におすすめ。電子レンジで温めたり、シナモン・クローブを入れてスパイシーに仕上げると北欧気分が味わえます。
3. カクテル風
ソーダ割りで軽やかに。
バニラアイスにひとさじかければ、大人のデザートにも変身します。
現代に蘇るクラフトミード
ワインやビールに押され、長らく忘れられていたミードですが、クラフトブームによって復活中。
- アメリカやヨーロッパでは「ミード専門ブルワリー」が続々誕生
- 日本でもクラフト蜂蜜酒や輸入品が購入可能に
「世界最古のお酒が令和に再ブーム」というのも、なかなか胸アツな話です。
まとめ
ミードは、人類の甘いもの好きと酔いたい願望から生まれた、世界最古のお酒。
古代人が神秘を感じたその味は、現代でも十分に新鮮でロマンチックです。
次に「ちょっと変わったお酒を飲んでみたい」と思ったら、ぜひミードを手に取ってみてください。
グラスを傾ければ、古代ギリシャの哲学者や北欧の戦士たちと時空を超えて乾杯できるかもしれませんよ。
私が書きました

杉本昭博
古美術・骨董の買取販売を手掛けるほか、少人数で回せる酒造ベンチャーの立ち上げに取り組んでいます。
伝統を大切にしつつ、新しい挑戦を続けることを理念としています。
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