袋吊りの話:歩留まり

袋吊りの話:歩留まり

on Sep 22 2026
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    袋吊り

    袋吊りの雫酒

    当ページに来られたということは、袋吊りという言葉を聞いたことがあるという方や何なのという方だと思われます。

    袋吊りとは酒蔵にとって究極の奥義とまでは行きませんが、中々ディープなテクニックなんですよね。

    袋吊りは一般的な酒造りではあまり行われない方法で、鑑評会などで上位を狙うための特別なお酒を造る際に行われるのが一般的で、市場に出回ることは殆どありません。

    最近は差別化のため高級路線で造られているところもありますが、ウチのようにメインにしてる酒蔵はほとんどありませんね。

    なぜなら、半分が酒粕になるという贅沢な作り方だからです。

    基本的に搾りは圧搾という方法で行われます。

    そのへんのスーパーでも買えるようなリーズナブルなお酒から、専門店や百貨店で冷蔵庫に収められていたり桐の箱に入っているような高級酒でもほとんどされない方法です。

    日本酒を圧搾して搾っている様子

    袋吊りの歩留まり

    一般的な搾り方は、酒袋という専用の袋に出来上がった醪を入れて機械で圧力を掛けて搾ります。

    そうすることで酒を余すことなく搾り切ることが出来るからです。

    一方、袋吊りは、同じく酒袋に入れますが圧力は掛けず、文字通り吊るすだけです。

    そのまま一昼夜程度置けば、重力で滴り落ちた酒がタンクに溜まっているのでそれを瓶詰めして終わりです。袋吊りで搾られた日本酒を柄杓で掬っている

    何が違うのか

    余すことなく搾ったほうが出来上がるお酒の量は増えます、なのになぜそんな贅沢な方法で搾るのだろう?

    それは、雑味が出ないからです。

    しっかり搾るとどうしても雑味も一緒にでます、袋吊りなら一番いい状態のものだけが取れるというのが一番の理由でしょう。

    経営のことを考えると、沢山搾ったほうが安くも提供できるし、残った酒粕の量の少なくて済むので処分するのも楽です。

    袋吊りだと倍以上の酒粕が出来るのですが、お酒なら単価も上がりますが、酒粕ではそれほど利益が見込めません。

    そう言ったろことからしっかり搾るというのが自然な流でしょう。

    通常商品として販売

    ウチの蔵では通常商品として袋吊りのお酒を造っています

    なぜ、そんな贅沢な作り方をしたお酒を造るのか?

    私は、みんな大好き、獺◯の精米歩合35%の純米大吟醸ですと言った高級なものでも、圧搾で搾られた酒は飲めないんですよね。

    でも唯一飲めるのが袋吊りのお酒なんです。

    自分が作ったものだけでもなく、袋吊りなら飲めるんですよね。

    そういった所から袋吊りの酒を造っています

    にっこにこ太陽酒造の希米さらり澄酒
    オススメ商品
    希米 さらり|袋吊り 無火入れ

    当蔵のお酒は基本袋吊りで火入も行っておりません。
    そのため一切の雑味がなくさらりとお飲みいただけるお酒に仕上がっています。

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    醸造家プロフィール

    この記事を書いた人

    クラフト酒 エンジニア 杉本 昭博

    旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にてIoTを活用した酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。