袋吊りの酒がうまい理由

袋吊りの酒がうまい理由

on Oct 03 2026
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    そもそも袋吊りとは?

    酒を搾るには発酵が終わった醪(もろみ)を酒袋という目の細かい布袋に入れ酒粕と透明な酒に別ける工程がある。

    通常はしっかり圧力を掛け搾ることで約8割が酒になる。

    対する袋吊りは、圧力を掛けないと言うか袋を吊るして滴り落ちる液体だけを集めたものだけを瓶詰めするので雫酒とも呼ばれています。

    搾る時圧力を掛けたほうがいっぱい搾れる

    そりゃそうでうよね、名一杯力を込めたら極限まで搾り取れます。

    袋吊りは約半分から3割程度しか酒になりません。

    残った酒粕の量も減るので処分が簡単に済みます。

    経営的に見れば、効率よくお酒が出来るので出来るだけ搾って8割と言わず9割でも良いくらいです。

    実際酒粕より酒のほうが単価も高いですからね。

    敢えて袋吊りで搾る理由

    袋吊りの雫酒

    ココからが本題で、何故そんな効率の悪い方法を取るのか?

    それは、タイトルの通り美味いからにつきます。

    身も蓋もないのですが、なぜ美味いのかはアルコール感がでないからだと思います。

    それだけで劇的に変わるんですよね。

    水素結合

    聞き慣れない言葉ですが、名前から推測すると水素と何かがくっついているのではと推測できますよね。

    コレは、アルコールと水分が結合しているという意味です。

    科学的に説明されているモノを見ると分子が何かと結合して・・・なんちゃらかんちゃらと書かれていましたがざっくり、大まかに、大胆に、勝手に要約すると。

    醸造などでアルコールが発生したときには、水分がアルコールをコーティングしているので飲んだ時に喉や胃に直接触れ無いと言うことのようですが、これは筆者の感覚であり、官能への影響は科学的に十分検証されているわけではなく、仮説の域を出ない部分が多いのも事実です。

    実際私はお酒が飲めず、ビールをコップ一杯も飲めません、頑張ってお猪口いっぱいが限度です。

    それなのに、袋吊りで作られたお酒はコップ2,3杯は平気で飲めます、元々酒飲みだったということもありますが、スルスル飲めます。

    雑味が出ない

    袋吊りにすることで、余計な雑味が出ません。コレが一番の要因かもしれません。

    しっかり搾ると、どうしても雑味成分も一緒に出ます、そうなると、独特のモアっとした風味が出ます。

    大吟醸などはこの雑味成分を出さないよう最初からその部分を取り除き醸造しているのでサラッとしたモノが多いのでしょうね。

    じゃ大吟醸でよくない?

    という話も聞こえますが、確かに雑味は消えますが、その分米の旨味というのも取り除かれます。35%精米なんて6割以上の米を捨てているんですからね。

    この捨ていている部分には、雑味もありますが旨味もあります。

    なので大吟醸ってサラッとはしているが旨味は少なめなんです、濃厚な米の旨味がないんですよね。

    まとめ

    お酒の飲めない人でも大吟醸なら余計な雑味がない分飲みやすいのでしょうが、ガッツリ精米しているので旨味は少なくなりますが、袋吊りなら雑味が出ず、旨味もしっかり残るので、飲めない私でもスルスル飲めるのでしょう。

    袋吊りのお酒はほんとに美味しいです。

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    醸造家プロフィール

    この記事を書いた人

    クラフト酒 エンジニア 杉本 昭博

    旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にてIoTを活用した酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。