どぶろくとはどんなお酒?

どぶろくとはどんなお酒?

2026年9月21日
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    どぶろくの定義、それは濾さないこと

    酒造りの最後、白くドロドロの醪の状態のものを、濾して透き通ったお酒と、酒粕に別ける工程があります。

    コレは上槽と呼び、とても重要な作業です。

    日本酒を圧搾して搾っている様子

    圧力を掛けしっかり搾ることで水分が抜け塊だけが残ります。年明け頃からスーパーなどでも見かけるペッチャンコの酒粕は酒袋という袋に入れ圧力を掛けて搾ったためあの形なのです。

    こうやって搾ると大体8割位が酒になり残りが酒粕になります。

    どぶろくは上槽(濾す)という作業がありません。

    まず、酒税法の違いがあり、にごり酒は清酒、どぶろくはその他の醸造酒というカテゴリーに分けられます。

    濁り酒の作り方は、出来上がった醪を濾すという作業が入ります、コレは清酒の醸造では濾さないといけないからです。ですので粗めの濾し布で搾ることでドロっとした部分も出るので濁った酒が出来上がります。

    一方どぶろくは、その他の醸造酒というカテゴリーになり、濾すという作業ができません。(条件を整えれば濾す作業も可)

    見た目は同じで、呼び方が違うのはこういった理由からですが・・・

    じっさい、清酒であるにごり酒をどぶろくとして販売している酒蔵もあったりしますので一概に言えないのかもしれません。

    よく、どぶろくとにごり酒の違いって何なのかを聞かれることがありますが、コレに厳密な違いというものがありませんというのが答えなのかも。

    そもそも知られていない

    塗りの枡に入ったどぶろくとマグロの刺身

    以前30代の女性と話す機会があり、どぶろくを作ってますと言ったのですが「どぶろくって?」という反応で初めて聞いたと言われ、濁った日本酒くらいは知られていると当たり前だと思っていたのですが、名前さえ初めて聞いたと言われたのが衝撃でした。

    お酒の作り方

    お酒の作り方で最後に搾って透明なお酒と酒粕に別ける作業がありますが、どぶろくは透明な部分と酒粕を分けないので、ドロっとしていて中には米の粒が残っていて、飲むというより食べるお酒という表現のほうが当てはまると思います。

    濾すと日本酒になる

    希米さらりを袋吊りで搾っている様子

    酒税法で日本酒は濾すという作業が必須とされています。

    粗めの濾し布で濾すことで酒粕になる部分も通り、白濁したお酒になるのですがコレがにごり酒になります。

    このように出来上がった醪をどんな状態でも濾すという作業が入ると日本酒に分類されますが、例外もあり、米と麹以外の副原料を添加すると日本酒の定義から外れ、そのほか醸造酒に変わります。

    日本酒が使える材料は米と麹だけで、それ以外を入れると日本酒のカテゴリーから外れそのほか醸造酒に変わります。

    この状態で出来上がった醪を濾しても日本酒にはならずその他の醸造酒になるので、にごり酒のようなどぶろくが出来上がります。

    定義が入り組んでいて何がどぶろくでにごり酒なのかは、税務署のお酒の担当官に問い合わせしましたが理解していないため、AIで国税庁のサイトからその部分を探してもらい事なきを得た事がありました。

    生と火入

    酒を火入れしている様子

    話は変わりますが、そんなどぶろくには出来上がった醪をそのまま瓶詰めする生どぶろくというものがあります。

    コレは火入をしないので発酵が瓶詰め後も進むタイプのお酒で、賞味起源が2週間程度というお酒で、2週間後でも飲めるのですが、その頃には発酵が進み酸味が強くなり白ワインのような風味に変わってきます。

    実際、2週間以上冷蔵庫内で熟成させてからのほうが甘みも消え美味しいと言われる方も居られます。

    火入は、生貯蔵酒という一旦瓶詰めしてから湯煎で熱を加えて酵母を死滅させ発酵を止める方法と、生詰酒という瓶詰め前にタンクごと火入れする方法と両方行うやり方があります。

    生詰と生貯蔵は100%酵母が死滅する訳ではないので若干発酵が進みますが、両方行うとほぼ死滅するので常温でも保管が可能になります。

    この火入もしっかりすることで保管が楽になりますが、その分風味も消えてしまいます。

    当社のような、フルーツを混ぜ込んだどぶろくだと火入れすることで風味が消えるのを最小限に押さえるため、瓶詰め後の火入を行う生貯蔵酒の方式を取っています。

    そうすることで、風味を残しながら賞味期限が飛躍的に伸ばす事が可能になります。

    番外 濁ったお酒たち

    他にもオリ酒というものもあります。

    コレは搾るのを粗めの布で濾すと醪成分が出るので濁りますが、通常の搾り方でしっかり搾ったお酒に少しだけ澱という成分を多めに残したお酒をいいます。

    ワインでは底の部分が凹んでいますが、コレは澱が沈殿する時に一緒に固まるようこの様な形をしているそうですが、日本酒にもこのように少しだけ残ることがあるのを敢えていっぱい残るようにしたものがオリ酒、漢字で書くと澱酒になります。

    そもそも、オリ酒とにごり酒の違いも明確なものはなく、表示の仕方で変わったりするんですけどね。

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    醸造家プロフィール

    この記事を書いた人

    クラフト酒 エンジニア 杉本 昭博

    旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にてIoTを活用した酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。