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どぶろくと言うと、農家の片隅で密かに造られる密造酒のイメージされれる方もいるかも知れませんし、そもそもその言葉自体を知らないという方もおられます。
そんなどぶろくですが、その他の醸造酒というカテゴリーに分類される普通に酒蔵で造られるお酒です。
どぶろくが飲まれ出した最初の頃は、炊いたご飯を口の中で噛み砕いて吐き出すことで唾液に含まれるアミラーゼが米のデンプンが糖に変え、その糖分に天然の酵母が降り注ぎお酒に変わるというシンプルな手法で造られていたようです。
それがだんだんと麹を使うことで口噛みの必要はなくなり、米と麹と水を瓶などにいれて保管すると天然の酵母が降り注いでお酒に変わるようになり、それが今のどぶろくの原型になっていきました。
その後、出来上がったお酒を置いておくと分離して透明な部分がでてくることを知り、濾すという作業を思いつき清酒が生まれました。
このことから、どぶろくは清酒を濾す前の段階ということになります。
実際江戸時代には濾さないどぶろくは清酒に比べて量が取れるので比較的安価なお酒として認識されていましたが、どぶろくは日持ちがしないのでもっぱら農家などが自宅で醸造して飲まれるのが多かったようです。
今で言う密造酒ですが、当時は酒税法など無かったため良い時代でした。
現代では1%以上のアルコールを製造することは酒税法で禁止されておいて、免許を持つものしか製造ができないとされています。
近年は「どぶろく特区(構造改革特別区域)」の制度により、条件を満たした農家民宿や飲食店で造られたどぶろくを各地で味わえるようになり、再び注目を集めています。
どぶろくは、見た目がよく似ている「にごり酒」「甘酒」としばしば混同されます。
しかし、製法や酒税法上の分類にははっきりとした違いがあります。

濾すという作業が、清酒かその他の醸造酒になるかを分けます。
大まかに言うと、にごり酒は発酵させたもろみを目の粗い布などで軽く漉したお酒で、酒税法上は「清酒(日本酒)」に分類されます。
この濁った部分は、粗めの濾し布で濾したため、醪が溶け出したものが入った状態なのでどぶろくと同じ成分が入っていますが、つぶつぶ感が無くなるように濾されているので見た目だけではほとんど判りません。
一方のどぶろくは漉す工程を行わないため「その他の醸造酒」に分類され、日本酒には含まれません。
ただ、清酒は最終段階で濾すという作業をしないといけませんが、その他の醸造酒は濾すという作業が必ずしも必要ではありません。
それと、使う材料にも違いがあり、清酒は米と麹のみ、その他の醸造酒は穀物と糖類を使用し醸造したものとあり、プラス他のモノを添加したらその他の醸造酒に変わり濾すという作業が可能になるので、一概には濾すと清酒で濾さないとその他の醸造酒になると言うわけでもないのがややこしいですが、一般的に濾されていないものはどぶろくと思って大丈夫でしょう。
また、出来上がったお酒にフルーツを混ぜ込んだものをフルーツどぶろくと銘打って販売されているものもありますが、これらは酒造法上はリキュールに分類されるのですが、飲み口はつぶつぶ感もありますので、どぶろくと言って販売されているのでしょう。
そう考えると明確な基準というものが無くなりますが、当蔵では出来上がった醪を濾さないモノをどぶろくと言うようにしていこうと思います。
参照元:酒税法における酒類の分類及び定義
甘酒は、米麹または酒粕から造られる飲み物です。
甘酒とどぶろくの製法はほぼ同じですが、甘酒には酵母を使いません。
酵母を入れると発酵が進みお酒に変化しますが発酵しないモノが甘酒になります。
米麹から造る甘酒はアルコールをほとんど含まず、「清涼飲料水」に分類されるため、子どもや車を運転する方でも楽しめます。
一方酒粕から造られる甘酒は酒粕にアルコールが残っていますので常温で水に溶かしただけではアルコールが残っていますが熱を加え砂糖などの甘みを混ぜて飲まれるのが一般的な製造方法です。
対してどぶろくは、酵母による発酵でアルコールが生まれた立派なお酒です。
とろりとした白い見た目や自然な甘さは甘酒とよく似ていますが、「アルコールを含むお酒かどうか」が大きな違いといえます。
| 名称 | 主な原料 | 漉す工程 | 酒税法上の分類 | アルコール |
|---|---|---|---|---|
| どぶろく | 米・米麹・水 | なし | その他の醸造酒 | あり |
| にごり酒 | 米・米麹・水 | あり(粗く漉す) | 清酒(日本酒) | あり |
| 甘酒(米麹タイプ) | 米麹・米 | ― | 清涼飲料水 | ほぼなし |

どぶろくは飲み方に決まりがなく、自由に楽しめるお酒です。
まずは基本の楽しみ方を押さえておきましょう。
どぶろくには2種類ああり、生と火入です。
生どぶろくは、瓶詰め後も発酵が続く「生きたお酒」で、火入は文字通り火入をして酵母を死滅させて、比較的長持ちさせることが出来るようにしています。
保存の仕方によって甘み・酸味・炭酸の強さが変化するため、正しい保存方法を知っておきましょう。
保存期間はあくまで目安です。
異臭や明らかな分離、カビなどの異変が見られた場合は、期間内でも飲まないようにしましょう。

どぶろくは旨味・甘味・酸味が濃厚なため、割っても味が崩れにくく、アレンジの幅が広いお酒です。
割り方のおすすめ
相性の良い料理
どぶろくは和食全般とよく合います。
魚の塩焼きや煮物、味噌を使った料理との相性が良く、米由来のまろやかな甘みが料理の旨味を引き立てます。
適度な脂のある料理や、こっくりとした味付けのおつまみとも好相性。炭酸割りにすれば、軽い前菜やサラダとも合わせやすくなります。
どぶろくは、米・米麹・水を漉さずに仕上げる、素朴で歴史あるお酒です。
漉さない点でにごり酒と異なり、アルコールを含む点で甘酒と異なります。
冷やしてそのまま、上澄みともろみを飲み分けて、あるいは炭酸やジュースで割って飲み方は自由自在。
発酵が続く「生きたお酒」なので、冷蔵保存とこまめなガス抜きを心がけ、開栓後は早めに楽しみましょう。
気になった方は、ぜひお気に入りの一本を見つけてみてください。
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この記事を書いた人
旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にて酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。