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「ミード」という名前を耳にしたことはあっても、実際にどんなお酒なのかご存じない方も多いのではないでしょうか。
ミードは 蜂蜜を原料にした醸造酒 で、ワインやビールよりも古い歴史を持つ「人類最古のお酒」とも呼ばれています。
本記事では、ミードの歴史や造り方、カロリー、おすすめの飲み方やフードペアリングまで、醸造の現場の視点からその魅力をたっぷりとお伝えします。
ミード(Mead)は、蜂蜜・水・酵母を発酵させて造る醸造酒です。
日本語では「蜂蜜酒」「ハニーワイン」とも呼ばれます。
アルコール度数は一般的に8〜18%程度で、ワインに近い飲み口を持っています。
日本の酒税法上は「その他の醸造酒」に分類され、製造には専用の酒造免許が必要です。
当醸造所もこの免許を取得し、一本一本丁寧にミードを醸しています。
ミードには甘口から辛口、スパークリングタイプまで幅広いバリエーションがあり、フルーツやハーブ、スパイスを加えたものも豊富に存在します。

ミードはしばしば「人類最古のお酒」と称されます。
その根拠とされるのが、紀元前約7000年頃の中国・賈湖(かこ)遺跡から、蜂蜜由来の発酵飲料の成分が検出されたことです。
ビールが約6000年前、ワインが約8000年前といわれる中で、ミードはそのいずれにも引けを取らない、最古級の歴史を持つお酒なのです。
ミード誕生のきっかけについては、自然発生説が有力です。
倒木の中にできた蜂の巣に雨水が溜まり、空気中の野生酵母によって自然発酵が起こったものを、偶然人間が口にしたのが始まりだと考えられています。
その後、ミードは古代エジプト、ギリシャ、ローマで広く愛飲され、特に北欧のバイキングたちは戦勝の祝杯としてミードを酌み交わしたと伝えられています。
北欧神話では「神々の酒」「詩人の蜜酒」として登場し、神聖な飲み物として扱われてきました。
中世ヨーロッパでは修道院がミード造りの中心地となり、薬草を加えた薬用ミードも盛んに醸されました。
新婚旅行を意味する「ハネムーン(Honeymoon)」の語源はミードに由来する、という説があります。
古代ヨーロッパでは、結婚後1ヶ月間、新郎新婦が子宝に恵まれるようにとミードを飲み続ける風習があり、その「蜂蜜(Honey)の月(Moon)」が語源になったといわれています。歴史とロマンが詰まったお酒、それがミードなのです。
ミードの製法は、一見ワインに似ていますが、原料が決定的に異なります。当醸造所で行っている基本的な造り方をご紹介します。
蜂蜜の種類によって、ミードの風味は劇的に変化します。
アカシア、レンゲ、栗、オレンジブロッサム、そば、使う蜂蜜の個性がそのままミードの個性となるのが、この酒の最大の魅力です。

健康志向の方が気になるお酒のカロリー。ミードは 100mlあたり約100〜150kcal が目安です。
| お酒の種類 | カロリー(100mlあたり) |
|---|---|
| ミード(蜂蜜酒) | 約100〜150kcal |
| 日本酒 | 約103kcal |
| 赤ワイン | 約73kcal |
| ビール | 約40kcal |
蜂蜜由来の糖分が残っているため、ワインやビールに比べるとやや高めです。ただし、辛口(ドライ)タイプのミードは発酵中に糖分がしっかり消費されており、カロリーは比較的低めに抑えられます。
糖質を気にされる方は、ぜひドライタイプを選んでみてください。
ミードは、温度や割り方を変えるだけで、まったく違う表情を見せてくれるお酒です。
10〜15℃程度に軽く冷やすと、蜂蜜の繊細な香りが最も引き立ちます。
ワイングラスに注ぐと、立ち上る香りを存分に楽しめます。
氷を入れてキリッと冷やせば、夏でも爽やかに楽しめます。アルコール度数が高めの銘柄に特におすすめです。
40〜50℃に温めると、寒い季節にぴったりの温かい一杯に。
シナモンスティックやクローブ、オレンジピールを加えれば、北欧で愛される本格的な「ホットミード」が完成します。
冬の夜長のお供に最適です。
ジンジャーエール、トニックウォーター、炭酸水で割ると、軽やかな食前酒に早変わり。レモンを絞ればさらにフレッシュな味わいに変身します。

ミードは料理との相性が非常に良いお酒です。タイプ別のおすすめペアリングをご紹介します。
ミードは、人類が最初に出会ったといわれる、ロマンに満ちたお酒です。
蜂蜜の優しい甘さ、奥深い香り、そして一口含むたびに広がる豊かな余韻。グラスを傾ければ、古代から続く長い歴史の流れに思いを馳せることができます。
当醸造所では、「その他の醸造酒」の免許のもと、厳選した蜂蜜を使った本格的なミードを心を込めて造っています。
世界最古のお酒「ミード」を、ぜひ一度ご自身の舌でお確かめください。きっと、新たな晩酌の楽しみが広がるはずです。
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この記事を書いた人
旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にて酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。