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どぶろくの歴史は非常に古く、弥生時代にはすでに類似の発酵飲料が存在していたとされています。古事記や日本書紀にも「醴酒(こさけ)」「白酒(しろき)」として登場し、神事や豊穣祭に欠かせない飲み物でした。
地域によっては「濁り酒」「にごり酒」とも呼ばれますが、厳密には製法が異なります。
どぶろく最大の特徴は「搾らない」こと
日本酒の場合、仕込んだ醪を圧搾して固形分(酒粕)と液体(清酒)に分けますが、どぶろくはその工程を経ません。米のつぶつぶや麹が溶け込んだ、とろみのある白い液体がそのまま製品となります。
そのため、食物繊維・アミノ酸・ビタミンB群・乳酸菌などが豊富で、「飲む点滴」とも称されるほど栄養価が高いのも大きな特徴のひとつです。
どぶろくの原料はシンプルで、基本的には以下の3つだけです。
日本酒造りと同様に、仕込み水の質が味に大きく影響します。
硬水を使えばキレのある辛口に、軟水を使えばまろやかな口当たりになります。
酵母は米麹に自然に含まれているものを利用することが多いですが、市販の清酒酵母を添加するケースもあります。
醸造酒とは、原料を酵母によってアルコール発酵させた酒の総称です。
ビール・ワイン・日本酒・どぶろくはすべて醸造酒に分類されます。
| 種類 | 原料 | 製法の特徴 |
|---|---|---|
| どぶろく | 米・米麹・水 | 醪を搾らずそのまま |
| 日本酒(清酒) | 米・米麹・水 | 醪を搾って清澄化 |
| にごり酒 | 米・米麹・水 | 粗く搾り、一部の醪を残す |
| ビール | 麦芽・ホップ・水 | 麦芽糖を酵母で発酵 |
| ワイン | ぶどう | 果汁を酵母で発酵 |
日本酒とどぶろくの最大の違いは「醪を搾るかどうか」です。
酒税法上も明確に区別されており、清酒は「こしたもの」、どぶろくは「こしていないもの」として分類されます。

ただし、2003年に「農家民宿・農家レストランなどでどぶろくの製造・販売を認める」というどぶろく特区制度が設けられました。
この制度により、農業体験や地域振興を目的とした施設であれば、一定の条件のもとでどぶろくを製造・提供することが可能になっています。
どぶろくのアルコール度数は一般的に8〜18%程度と幅があります。
仕込み方や発酵の進み具合によって大きく変わるため、飲む前に必ず確認することが重要です。
市販のどぶろくは 10〜14%程度 のものが多く、ビールより高く、日本酒と同程度かやや低めのイメージです。
見た目が白くとろりとしているため甘い飲み物に見えますが、アルコール度数はしっかりあります。飲みすぎには十分ご注意ください。

冷やして飲む(5〜10℃)のが最も一般的で、甘みと酸味のバランスが最もよく感じられます。飲む前によく振って(または軽くかき混ぜて)、沈殿した醪を均一にしてからグラスに注ぎましょう。どぶろくは日本酒と異なり、ぬる燗・熱燗はあまり向きません。
どぶろくは生きた酒です。
火入れ(加熱殺菌)をしていない生タイプが多く、酵母や乳酸菌が瓶の中でも活動を続けています。
時間が経つにつれてアルコール度数・酸味・炭酸感が変化するため、要冷蔵で1〜4週間程度が賞味の目安です。開封後は早めに飲み切り、常温放置は厳禁です。
米から造られる同士。シンプルな塩むすびと合わせると互いのうまみが引き立ちます。
発酵同士の組み合わせ。乳酸菌の風味が共鳴し深みのある味わいに。
醸造の風味が共通。和食の中でも特に相性の良い組み合わせです。
塩味と炭火の香ばしさがどぶろくの甘みを引き立てます。
さくっとした衣とどぶろくのとろみが好対照。口の中でバランスよくまとまります。
洋食との組み合わせも意外な好相性。発酵食品同士でうまみが増します。
どぶろくとは、搾らないことで米のうまみを丸ごと閉じ込めた、日本最古クラスの醸造酒です。
シンプルな材料で作られながら、深い風味・栄養価・微炭酸の爽やかさを持ち、現代の食卓にも十分通用する飲み物です。
酒税法の規制により家庭での製造はできませんが、全国の酒蔵や特区施設で本物のどぶろくを体験することは可能です。
ぜひ一度、搾りたての生どぶろくをその場で味わってみてください。日本の発酵文化の奥深さを、グラス一杯で感じることができるはずです。
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この記事を書いた人
旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にて酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。