クラフトサケとクラフト醸造酒って何が違うの?岸和田の酒蔵が解説します

クラフトサケとクラフト醸造酒って何が違うの?岸和田の酒蔵が解説します

2026年6月05日
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    はじめに、よく聞かれる素朴な疑問

    最近、日本酒の世界で「クラフトサケ」「クラフト醸造酒」という言葉を耳にする機会が増えました。

    クラフトビールのようにフルーツや個性的な香りを楽しめるお酒として注目を集めていますが、

    「クラフトサケとクラフト醸造酒って、結局なにが違うの?」

    というご質問を、お客様から本当によくいただきます。

    私たちは大阪・岸和田で「その他の醸造酒」の酒造免許を持つ醸造所です。

    米と麹だけでなく、フルーツや発芽玄米を仕込みに取り入れた個性豊かなお酒を造っています。

    本記事では、その立場から両者の違いを、できるだけ分かりやすくご紹介します。

     

    1. 「クラフトサケ」は実は登録商標です

    まず最初に押さえておきたいのが、「クラフトサケ(Craft Sake)」という言葉は株式会社モトックスの登録商標であるという点です。

    ワインインポーターとして知られるモトックス社が、全国の蔵元と共同開発した日本酒・醸造酒シリーズに付けた名称であり、現在は「クラフトサケブリュワリー協会」に加盟する醸造所も、同社から使用許諾を受けて「クラフトサケ」という呼称を使っています。

    つまり、誰もが自由に「うちはクラフトサケです」と名乗れるわけではなく、商標を保有する企業、または許諾を受けた団体・蔵元だけが使用できる呼び名なのです。

    当蔵はこの協会には属していないため、同じカテゴリのお酒であっても「クラフトサケ」ではなく「クラフト醸造酒」という呼び方をお客様にお伝えしています。

     

    2. クラフトサケを謳う酒蔵の特徴

    希米とろりの裏ラベル

    クラフトサケブリュワリー協会に加盟している酒蔵は、その多くが「どぶろく」を中心とした酒造りを行っています。

    どぶろくとは、もろみを搾る工程を経ずに、米と麹由来の固形物(粕)を含んだまま製品化するお酒のこと。

    とろりとした口当たりと、米の旨味をダイレクトに感じられるのが魅力です。

    そこにフルーツ、ハーブ、ホップ、スパイスなどの副原料を組み合わせた「フルーツどぶろく」や「ボタニカルSAKE」が、クラフトサケと呼ばれる代表的なスタイルになっています。

    酒税法上の分類は「清酒」ではなく「その他の醸造酒」や「雑酒」。これは、清酒の定義から外れる副原料を使ったり、もろみを搾らない製法を採用しているためです。

     

    3. 当蔵の「クラフト醸造酒」とは?

    袋吊りで日本酒を搾っている様子

    一方、当蔵が造っているのは「クラフト醸造酒」。呼び方こそ違いますが、酒税法上の分類はクラフトサケと同じく「その他の醸造酒」です。

    当蔵のクラフト醸造酒には、次のような特徴があります。

    ① フルーツや発芽玄米を取り入れた、個性豊かな副原料

    通常の米と麹だけでは表現できない、複雑な香り・旨味・酸味を引き出すために、季節のフルーツや発芽玄米を仕込みに取り入れています。

    特に発芽玄米は栄養価が高く、独特の香ばしさとコクをお酒に与えてくれる素材。

    白米にはない奥行きが生まれ、ワインや料理とも合わせやすい味わいに仕上がります。

    ② 基本は「袋吊り」で丁寧に濾す

    ここが、クラフトサケを謳う多くの酒蔵と当蔵との最も大きな違いです。

    当蔵では基本的に、もろみを「袋吊り(ふくろづり)」で濾しています。

    袋吊りとは、もろみを酒袋に入れて吊るし、自然の重力だけで雫が落ちてくるのを待つ、最も丁寧で贅沢な搾り方。

    圧力を一切かけないため雑味が出にくく、繊細でクリアな味わいに仕上がります。

    一滴一滴に手間と時間をかけているので、ロットが大きく取れない反面、香りの透明感と余韻の美しさは格別です。

    ③ もちろん「フルーツどぶろく」も造っています

    「濾さないにごりのお酒も飲んでみたい」というお声にお応えして、当蔵でもフルーツを使ったどぶろくを製造しています。

    クラフトサケ系の酒蔵さんと同様、瑞々しい果実感と米の旨味が重なる、新しいスタイルのお酒です。

    袋吊りでクリアに仕上げるお酒とはまた違う、ジューシーで濃厚な味わいをお楽しみいただけます。

     

    4. 結局、違いは何?  一言でまとめると

    ここまでをまとめると、答えはとてもシンプルです。

    「クラフトサケ」と当蔵の「クラフト醸造酒」は、呼び方が違うだけで、中身はほぼ同じカテゴリーのお酒です。

    どちらも「その他の醸造酒」免許のもとで、米・麹に加えて副原料を使って造られる、自由で創造的な日本酒型のお酒。

    免許も製法の自由度も、本質的にはほぼ変わりません。

    違いがあるとすれば、次の2点だけです。

    項目 クラフトサケを謳う酒蔵 当蔵のクラフト醸造酒
    呼び方 商標「クラフトサケ」を使用 「クラフト醸造酒」と呼称
    メイン商品 濾さないお酒(どぶろく) が中心 袋吊りで濾したお酒 が中心
    フルーツどぶろく あり あり

    つまり、「商標を使うか使わないか」と「メイン商品が、澄んだお酒か、にごりのお酒か」この2点だけが本質的な違いだとお考えいただければ分かりやすいと思います。

     

    5. 岸和田から、新しい日本のお酒を

    備前焼の徳利からお酒を注いでいる

    クラフトサケも、当蔵のクラフト醸造酒も、目指している方向は同じです。

    「従来の日本酒の枠を超えて、もっと自由に、もっと多くの人にお酒を楽しんでもらいたい」

    この想いから生まれた、新しいジャンルのお酒。ワイン感覚で楽しめる果実香、玄米由来の穀物感、にごり酒の濃厚な口当たり、岸和田の小さな酒蔵から、これまでにないお酒の世界をお届けしています。

    「日本酒は重くて苦手」「ワインや果実酒は好きだけど、日本のお酒も試してみたい」という方にこそ、ぜひ味わっていただきたい一杯です。

     

    当蔵のクラフト醸造酒・フルーツどぶろくはこちらから

    袋吊りで丁寧に濾した透明感あふれるクラフト醸造酒、果実感がジューシーに広がるフルーツどぶろくなど、当蔵こだわりの商品ラインナップは商品ページよりご覧いただけます。

    にっこにこ太陽酒造の希米ふわり澄酒
    オススメ商品
    希米 ふわり 二十四節気シリーズ|袋吊り 無火入れ|720ml

    当蔵こだわりの「二十四節気シリーズ」限定醸造酒。季節ごとに旬の果物を使い、その時々ならではの味わいをお楽しみいただけます。

    ご贈答用、ご自宅用、ペアリングのお供に。

    岸和田発のクラフト醸造酒を、ぜひ一度お試しください。

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    醸造家プロフィール

    この記事を書いた人

    代表 / 醸造責任者 杉本 昭博

    旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にて酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。