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どぶろくとにごり酒、何方も米と麹を使う白く白濁したお酒ですが、製法や酒税法などで製造する免許が違うのが一番大きな特徴です。
ですので、見た目では判断ができなかったりします。
そんなちょっと判りにくいお酒の違いを酒蔵の目線から説明します。

にごり酒とは、白濁した酒のことを言い、主に日本酒に分類され白濁したお酒全般、どぶろくもこう呼ばれたりしますがココではあくまで日本酒として説明します。
米・米麹・水を発酵させて造ったもろみを、通常の日本酒よりも粗い目の布で漉すことで、醪(もろみ)の成分が酒に残り、独特の白濁したお酒です。
白く濁ったお酒を全てにごり酒(どぶろく)と思っていたりする方もおられますが、一度濾すという作業が入りますので、つぶつぶ感がなくトロっとした口当たりです。
製造におけるポイントは「濾す(こす)」工程を経ているという点が挙げられます。
酒税法で清酒は米・米麹・水を原料として発酵させ、「濾す(こす)」作業を行うとあります。
つまり、にごっていても「こす」工程さえ経ていれば、にごり酒は法律上は清酒(日本酒)の仲間なのです。
この濾すという作業は、出来上がって何もしないで放置すると透明な上澄み部分ができあがりますが、その上澄み部分をすくい取った場合も濾したとみなされます。
なぜ、そこまでシビアに定義するのかは、令和5年に酒税が1本化され同じになりましたが、それまでは日本酒(清酒)の酒税は1000L辺り、12万円でその他の醸造酒は10万円なので1Lあたり20円の酒税が変わってくるので厳密なルールが必要だったのでしょう。
現在は清酒の酒税が下がり一本化されましたが、濾すという部分はしっかり残っています。
参照元:財務省 酒税に関する資料
いずれも「濾す(こす)」という工程を経ているため、酒税法上はその他の醸造酒にはならず、清酒に分類されます。
一方、どぶろくとは、もろみを「こさない」まま瓶詰めしたお酒でその他の醸造酒に分類されます。
米・米麹・水を発酵させてできたもろみを、固体と液体に分ける「濾す(こす)」という工程を行わず、そのまま製品にします。
濾さないことで、清酒の製法から外れますので、どの酒にも属さないということからその他の醸造酒にカテゴライズされ、同免許がなければ製造はできません。
清酒の免許しかない酒蔵が、濾すのがめんどくさいからそのまま瓶詰めするとアウトになり、税務署から怒られます。
濾したかどうかなど出来上がった製品からは判別出来ないから良いのでは?と思いますが、意外とバレるんです。
例えば、従業員が何処かでうっかりポロっと喋った事が回り回って税務署の耳に入るなど、些細なことでバレてしまします。
そうなると、調べない理由にはいかないのでしっかり調査され、最悪免許剥奪まで行く可能性もあり、脱税がバレて追徴課税を払えばOK位の甘い処分ではなく仕事ができなくなる可能性もあるのでみんなしっかりとルールを守って製造しているんです。
ですので、その他の醸造酒では濾すという作業が出来ないのかというとそうでもなく。
米と麹と水だけだと清酒にカテゴライズされますが、ココに別の副原料を混ぜることで清酒のカテゴリーから外れ、あと、良く似たリキュールの製法にも当てはまらなければ、その他の醸造酒になります。
ですので、どぶろくを作る際に副原料に発芽玄米を少しだけ添加することで清酒から外れその他の醸造酒にかわります。
イメージ的に濾さないというのが、その他の醸造酒ですが、別に濾してはいけないというルールはなく、可能なんです。
ですので副原料を添加して分類上そのほか醸造酒に変えて濾すことで、見た目や味は日本酒だけど、酒税法上の分類はそのほか醸造酒となるのです。
話が脱線しましたが、どぶろくの歴史は古く、飛鳥・奈良時代から五穀豊穣の神事に欠かせない神聖なお酒として親しまれてきました。
「濁醪(だくろう)」という言葉が語源とも言われており、それがなまってどぶろくになったとも言われており、日本の米作り文化と深く結びついたお酒ともいえます。
現在では酒税法により無免許での製造は禁止されており、製造には専用の醸造免許が必要ですが、明治32年(1899年)に自家醸造が禁止されるまでは、各家庭で当たり前のように造られており、手前味噌ならぬ手前どぶろくが普通に造られ飲まれていました。

ここが最も重要なポイントです。
にごり酒とどぶろくは、酒税法上まったく別のお酒として扱われています。
酒税法第3条において、清酒は「米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの」と定義されています。
にごり酒はもろみを粗く漉しているため、この定義を満たし、清酒に分類されます。
どぶろくは「こす」工程を経ないため、清酒の定義から外れます。酒税法上は「その他の醸造酒」というカテゴリに分類されます。
| 項目 | にごり酒 | どぶろく |
|---|---|---|
| 酒税法上の分類 | 清酒 | その他の醸造酒 |
| 「こす」工程 | あり(粗ごし) | なし |
| 必要な醸造免許 | 清酒製造免許 | その他の醸造酒製造免許 |
| 主原料 | 米・米麹・水 | 米・米麹・水 |
ラベルの裏面を見れば、「清酒」と表記されていればにごり酒(の一種)、「その他の醸造酒」と表記されていればどぶろく、と見分けることができます。
酒税法上の分類が違うということは、それぞれを製造するために取得すべき酒造免許も異なります。
清酒製造免許を持つ蔵元はにごり酒を造れますが、それだけではどぶろくは造れません。
逆も同様で、どぶろくを造るには「その他の醸造酒」の製造免許が必要になります。
国税庁による酒類の分類・定義の詳細は、以下の公式資料をご確認ください。
参考資料(国税庁)
製法の流れを比較すると、両者の違いがより明確になります。
違いはたったひとつ、「こす工程の有無」ですが、この違いが酒税法上の分類を分け、味わいにも大きな差を生み出します。

製法が違えば、当然味わいも変わります。
にごり酒は、粗ごしされている分、液体部分の比率が高く、すっきりとした清酒の味わいの中に米の旨味がほどよく感じられます。
日本酒に近い飲み口を残しつつ、にごりのコクを楽しめるのが特徴です。
どぶろくは、米粒や麹がそのまま残るため、粒感のある食感とまろやかで濃厚な甘み・酸味が楽しめます。
発酵がそのまま閉じ込められているため、米そのものの旨味とフレッシュな風味が際立つのが魅力です。
鍋料理や煮物、味噌を使った郷土料理との相性も抜群です。
当蔵は「その他の醸造酒製造免許」を取得し、伝統的な製法を守りながらどぶろく造りに取り組んでいます。
地元の米を使い、丁寧に発酵させた当蔵のどぶろくは、米の旨味と自然な甘みがぎゅっと詰まった一本に仕上がっています。
冷やしてそのまま飲むのはもちろん、炭酸水やサイダーで割っても美味しくお召し上がりいただけます。
お祝いの席や、ご家族との食卓を彩る一杯として、ぜひお試しください。
最後に、にごり酒とどぶろくの違いをおさらいしましょう。
似ているようでまったく違う、にごり酒とどぶろく。両者の違いを知れば、お酒選びがもっと楽しくなるはずです。
日本古来の味わいを今に伝える本格どぶろくを、ぜひ一度味わってみてください。
Q. ラベルに「どぶろく」と書いてあっても「清酒」と分類されることはありますか?
A. はい、あります。
粗ごしされていれば法律上は「清酒(にごり酒)」となります。ラベル裏の品目表示で「清酒」か「その他の醸造酒」かをご確認ください。
Q. どぶろくは家で造ってもいいですか?
A. ダメです警察に捕まります。酒税法により無免許での酒類製造は禁止されており、自家醸造は違法となります。市販品をお楽しみください。
Q. にごり酒とどぶろく、アルコール度数に違いはありますか?
A. 製品によって幅がありますが、一般的にどぶろくはにごり酒よりやや低めの度数(6〜12度程度)のものが多い傾向にあります。
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この記事を書いた人
旨い酒を作りたいという思いで、岸和田の地にて酒蔵を始めました。また、酒造りの傍ら、古美術商も営んでおり、ぐい呑みなどの酒器を集めています。